人生の本番はこれからだろ?

やっと70歳になった。少し人生の何たるたるかが見え始めた。本番はこれからだよ。

テレビはバカに娯楽を提供するメディア 

テレビはバカに娯楽を提供するメディア (株式日記と経済展望より)

テレビはバカに娯楽を提供するメディア 6月25日 橘玲

最新刊、『バカが多いのには理由がある』から「はじめに」を掲載します。

ずいぶん昔の話ですが、仕事の企画で民放テレビのディレクターに会いにいったことがあります。彼は30代後半で、視聴率の高いワイドショーを担当し、業界ではやり手として知られていました。

「僕の話なんか聞いたって仕方ないですよ」

開口一番、彼はそういいました。

「昼間っからテレビを見ている視聴者って、どういうひとかわかりますか? まともな人間は仕事をしているからテレビの前になんかいません。暇な主婦とか、やることのない老人とか、失業者とか、要するに真っ当じゃないひとたちが僕らのお客さんなんです。彼らをひとことでいうと、バカです。僕らはバカを喜ばせるためにくだらない番組を毎日つくっているんですよ。あなたの役に立つ話ができるわけないでしょ」

彼はテレビ局のエリート社員ですから、この偽悪ぶった言い方がどこまで本音かはわかりません。私が驚いたのは、その言葉の背後にある底知れぬニヒリズムです。

彼によれば世の中の人間の大半はバカで、1000万人単位の視聴者を相手にするテレビ(マスコミ)の役割はバカに娯楽を提供することです。その一方で、テレビは影響力が大きすぎるので失敗が許されません。そこでテレビ局はジャーナリズムを放棄し、新聞や週刊誌のゴシップ記事をネタ元にして、お笑い芸人やアイドルなどを使って面白おかしく仕立てることに専念します。これだと後で批判されても自分たちに直接の責任はないわけですから、番組内でアナウンサーに謝らせればすむのです。

「バカだって暇つぶしをする権利はあるでしょ」彼はいいました。「それに、スポンサーはバカからお金を巻き上げないとビジネスになりませんしね」

いまではこうしたニヒリズムがメディア全体を覆ってしまったようです。嫌韓・反中の記事ばかりが溢れるのは、それが正しいと思っているのではなく、売れるからです。ライバルが過激な見出しをつければ、それに対抗してより過激な記事をつくらなければなりません。

近代の啓蒙主義者は、「バカは教育によって治るはずだ」と考えました。しかし問題は、どれほど教育してもバカは減らない、ということにあります。

だとしたらそこには、なにか根源的な理由があるはずです。



(私のコメント)

ワールドカップ日本代表は、2敗1分けで予選敗退が決まりましたが、スピードもテクニックも無くてよく代表に選ばれたと思いますが、1対1で簡単に抜かれてゴールを決められてしまう。日本チームは体格で劣るのだからスピードとテクニックが勝らなければ勝てるわけがない。だから最初から予選敗退は予想が出来た。数分見ただけで日本選手の動きの遅さが目に付きました。

テレビは暇人の為にあるのであり、一日中家にいてテレビを見ているしか無い人が沢山います。テレビは視覚と聴覚を占領してしまうから考える事が少なくなります。あるのは感覚だけであり、面白ければ笑うし悲しければ泣くだけであり、テレビから離れて考える事が少なくなります。感覚的に見て面白ければそれでいいわけであり、役に立ちそうだからと録画しておいても見る事はほとんどありません。

ワールドアップのサッカーの試合にしても2時間近くもテレビの前に釘付けだから、ばかばかしいので5分10分見ただけで日本の敗戦が予想できたからテレビを見るのは止めてしまった。それよりもネットサーフィンをしながらブログを書く事の方が頭を使うし、文章を纏める事も頭の体操になります。しかしネットサーフィンを見て回るだけではテレビを見るのと大して変わらない

ネットサーフィンをして面白い記事を見たら自分の感想を書く事も大切であり、感想を書くことで自分の考えを纏める事にもなります。テレビなら見っぱなしであり録画して何度も見て感想を書くような事はする人はまずいないだろう。ブログなら何度も読み直す事も出来るし、本とは違って記事も短いし日記の材料にするには適当だ。

テレビはリモコンのボタンを押せばすぐに映るし、一方的に映像と音声が送られてくる。適当にチャンネルを回して面白い番組をやっていれば見るしやっていなければ見ない。見ないまま一日中テレビをつけっぱなしの人もいるし、テレビが時計代わりになっている。だから放送されている番組もどうでもいいような内容のバラエティーが多くなり、ギャラの安いお笑いタレントが多くなる。

ギャラの安いお笑いタレントも、番組を掛け持ちして数をこなせば総収入は多くなり、お笑いタレントでも高額所得者も増えて5000万円も貯金のあるタレントもいる。問題なのはテレビを放送する方のテレビ局にあり、電波利権で新規参入も無く、テレビはマスコミの頂点にあったからコマーシャルだけでも利益を独占できた。

新聞なども再販制度や宅配制度に守られて新規参入が難しい業界ですが、政治と結びついているからこのような独占利益が稼げる。ネットは新規参入が自由であり新聞やテレビともダブるから既存のマスコミの脅威となり、宣伝広告料などもアメリカではネット広告料がテレビ広告料を上回るほどとなり既存のマスコミを食い始めた。

このような事はテレビ業界の現場では認識されており、モラルの低下は免れないだろう。現在では視聴率が20%を超えるような番組は稀となり、多くが一けた台の視聴率の番組であり、これでは番組枠のコマーシャル料が売れなくなる。製作費が削られれば番組の質はますます低下して、テレビを見ればバカになるのではなくて、バカしかテレビを見なくなるというのが正しい。

私などはスカパーの有料番組を録画して見ていますが、映画もCMは入らないし、テレビドラマも一挙放送されるから録画して好きな時間に見ている。総合テレビを見るのは食事の時間のニュースが多くなり、毎週必ず見る番組はほとんど無くなってしまった。このようにテレビの影響力は年々低下して世論形成力も低下して、政治家もテレビに出るよりもネットのニコニコ動画に出る事を選ぶ政治家も出てきた。

ユーチューブなどもビデオ・オン・デマンド放送に近くなり、有料化も検討されている。テレビ放送業界でもコマーシャル料が入らなくなれば有料放送に踏みきらざるを得ない。スカパーなどは一足早く有料化していますが、ビデオ・オン・デマンド放送で有料化してきていますが、視聴者が増えなければ赤字放送になってしまう。貧すれば鈍すで、視聴率が取れるテレビドラマが作れなくなってきている。

テレビの影響力にしても、数の上では圧倒的ですが、テレビのコメンテーターがおかしな事を言えばネットで炎上騒ぎになります。行き過ぎればNHKやフジテレビのようにデモ隊が押し掛けるようになりました。テレビのディレクターは視聴者を見下しているから視聴者がバカに見える。以前はテレビ局に苦情の電話を入れても無視されるだけでしたが、今ではネットで炎上騒ぎになって無視が出来なくなっている。