人生の本番はこれからだろ?

やっと70歳になった。少し人生の何たるたるかが見え始めた。本番はこれからだよ。

『なせ―(1)』

 

『なせ―(1)』

 寒い冬ならではの想いか。朝起きて、しばしストーブの前で温まっている時、来年からは退職老人だからもう出張もない。その穴埋めを探さなくちゃと心細く思う。
又、今日は全くやるべき予定がない。こんな時どうしようと憂いている。
さてさて大テーマなり。
今年中に来年からの新たな人生の計画や希望やのまさしく戦略を練らねばならない。
今利用しているbe here nowの時間表も大幅に見直すこと。
季節ごと、月ごと、週ごとに変化を付けた暮らし方を工夫、他人との会話する場も探さねばならない。
以下、出口日出麿氏「生きがいの探求」より

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           『なせ―(1)』
手数をかけるほど愛は生じるものである。親が子を育てるにしても、なかなか一通りや二通りの苦労ではないが、苦労すればするほどかわいさが増してくるものである。
すべて面倒や手数をいとうていては、何一つ真に自分のものにすることはできるものではない。
ある団体のためとか、ある会のためとかいう場合でも、自分が身を入れる度が大ならば大なるほど、それらに対してより強い愛が生じてくる。

要するに、身をいれただけ、面倒を見てやっただけしか自分が広がらないのである。
仕事に伴わなければ、真の悟りはひらけない。
だから人間は、少々は無理からでも実地に仕事をするにかぎる。
ただし、いくら仕事をしても、ただ単に、機械的にしているのではだめだ。ちょっとのことをしても、普遍的な呼吸をつかむ工夫をしなければいけない。


仕事をすれば損がいくように思う人があるが、これは大変な間違いである。
その気で仕事をすれば、しただけは、霊的に自分の所得となっているのである。その仕事を覚えるということだけでも、たしかに、それだけ、その人に力がついてわけで、まして、その仕事を一つの模型として会得する霊的な所得というものは、実に偉大なものである。
人間はどうせ、神から見れば不完全きわまるものであるから、どんな人も謙虚な気持ちで、少しでもよろ多くの事柄を会得して力をつけ、神のしもべとしての務めをつくすように心がけねばならない。

この理がよくわからない人は、なるべく仕事を避けよう、楽にいようとしたがるものだが、神からの内流(神から流れてくる知・情・意)は何か仕事をしている場合でなくては、確実にその人の全身に流れ入るものではない。歩かずに行こう、遊んでいて賢くなろうとするのは言語道断である。
何事でも、それぞれの興味はあるものだ。だから、その仕事にとらわれ縛られることなく、広い大きな心で、その仕事を自己に従属させて、その中に自己一流の境地、興味を見出すように努めることが最も肝要である。


絶えず、ある一事について興味と希望と目的を持つということは、まことに結構なことで、これによって、しじゅう、にぎやかな気持ちで、わき目もふらずに前進することが出来る。

人間は絶えず何かを作り出しておらねばならない。
なんでもない引っ込み思案ははなはだよくない。能うかぎり、頭なり手足なりを活動させて、つねに何かを得ようと努めるところに真の生活があるのだ。
いつまでも同一環境に執着して、そこから一歩も外へ出ることのできないような意気地なしでは困ったものである。

中には、心中では、これではならない、もう少し何とかしなければならないと焦慮しておりながら、決断力が足らないために、いつまでもその境遇に甘んじている人々も随分多い。無論、時と場合によって、ここのところは敢然と思い切るべき時か、あるいは、今は忍耐すべき時であるかということは、まず考えなければならない。


無理からでもなせ 遮二無二進め
なんでもかんでも音を立てよ
思いに思い 言いに言い なしになせよ
消極は地獄であり
積極は極楽である
瞬時も休むことなく宇宙はまわる
何ごとでもよい 思い立ったことを
全力を挙げて 全身をかたむけて
全身の全細胞にねじりはちまきさせて
全身の全血管に波立たせて
見かけはどんないやしいことでもよい
見かけは遊戯のように見えることでもよい
おもしろく愉快に興味にみちて
なしさえすれば真の生活だ

いっさいを忘れて、ただその時の仕事に全力をうち込まねばならない。

多く観 よく観 多く聞き よく聞き
多くかぎ よくかぎ 多く味わい よく味わい
多く触れ よく触れ 多く思い よく思い
もって 悟るよりほかに手はない。

自分の手で自分の口にはこび、自分の胃腸で消化しなければ自分のものにはならない。
自分が発見し、自分が肯定し、自分が進まねば自分の途にはならない。



理屈はどうでもよい
他人はどう解しようがままだ
したいと思うことを
せねばならぬと決意したことを
いま目のまえに出てきたことを
ドンドンなせよ
つぎつぎになせよ
遮二無二なせよ
なせよなせよ なすのが生活だ